ミックス時のステレオ感のコントロールのために有効と思う方法を挙げてみます。
1. まず各トラック(楽器)のPanを決めて、ものによってはPanを動かす
基本ですが、まずはそれぞれのトラック(あるいは楽器)の定位をしっかり決めることが必要です。例えばドラムのタムやシンバル等を1枚ずつ配置していくことにも効果があります。ものによってはAutomationでPanをリアルタイムに動かすことも有効です(シンセパッド等)。
2. Bus 手前でのPan有効化
Busスロット長押しで表示されるメニューでBus Send方法をポストフェーダーからポストパンに切り替えます。これによってチャンネルスプリットのPan設定がBusに送られる音にも反映されるようになります。特にBusでReverb等の空間系プラグインを使う場合に有効です。
3. Sample DelayでLRどちらかをほんの少し(数ミリsec.)遅らせる(シンセパッドやバックグラウンドボーカルなど)
定番ですが、これだけで簡単にステレオ感が得られます。ピッチもずらすとより効果が高まります。
4. Delay音を逆サイドに返す
Delay音を逆サイドに返すことも有効です(実音がL30ならDelay音をR30に返す、等)。 さらにDelay DesignerでそれぞれのDelay音ごとにPanをコントロールしていくことも効果的な方法です。
5. Stereo Spread、Spreader、Direction Mixerを活用する
付属プラグインのStereo Spread、Spreader、Direction Mixerを活用することも有効です。
6. MSマスタリング(サイドを上げる)
位相を崩しすぎないように注意が必要になりますが、同時に音圧も上げることができます。Waves S1 Imager等のプラグインを使うことで比較的簡単にMS処理を行うことができます。
7. Universal Track Modeを無効化する
これについては好みの問題で、大差ないかもしれませんが、左右のチャンネルのPanノブを直接触れられるメリットがあります(Universal Track Modeがオンの場合、Stereo TrackのPanを細かくコントロールするためには、Direction Mixerなどのプラグインを使う必要があります)。
8. Pan Lawを-3dbに設定する
これも好み/慣れの問題かもしれませんが、そもそもの設定として強制的にセンターを下げることもひとつの方法と思います。